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健康 2018.08.10

異星人ジェイコブの「なぜ人間は薄毛対策にこだわるのか」髪の毛の謎に迫る旅 その4 ~人より髪を愛すフェチも~

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私の名はジェイコブ一郎。

“コブ星”に住んでいる。

▲コブ星人“ジェイコブ一郎”

 

「頭」の毛が薄くて当たり前のコブ星に住む私にとって、人間の頭髪の量が私たちより多いことや、彼らが毛の量を気にすることが不思議でならない。

今、私はこの疑問に立ち向かうべく人間の「毛」について調べている。

 

今まで3回のリサーチで、人間が「髪=神」と考えたり、毛深さで王様を決めたり、髪の代わりにカツラにこだわったりという奇妙な文化や歴史を調べてきた。

 

第1回:薄毛は男らしさ!?

第2回:髪には神の力が宿る

第3回:カツラは衛生的な証?

 

今回は、髪が「悪霊払い」「呪い」に使われてきた文化的背景や、昔から存在した強烈な「髪フェチ」男性について調べた。

 

<今回分かったこと>
・頭と長髪のセットは「悪霊払い」!?獅子舞や歌舞伎・能でも。
・髪は「呪いの鉄板アイテム」
・唾は「呪を解く魔法のアイテム」
・とにかく髪が好きな「髪フェチ」男性たち

 

頭と長髪のセットは「悪霊払い」!?獅子舞や歌舞伎・能でも。

日本では、「髪の毛の乱れた怖い顔のかぶり物」は、悪霊を払う力を持つと信じられた。

不運なものを退け、雨を降らせ、火を防ぎ、豊作を祈る…。

 

 

これは昔の風習から来ている。

死んだ人に似せた頭を作って長い毛を付けて魂を宿らせ、それを悪霊払いとして祀った。

 

中国では、神様は基本的に長毛であるとされた。

 

髪が長く、怖い顔と表情を持つものは、誰が見ても震え上がる。だからこそ、悪霊や災いをはねつけ、人間たちを守ってくれると考えたのだ。

 

 

その文化の名残りは「獅子舞」、歌舞伎の「連獅子(れんじし)」、能の「石橋(しゃっきょう)」などにも出ている。

 

 

「獅子舞」は怖い獅子の顔に長い毛を付けた被りものを使う。簡単に悪霊を取り払う、絶好の小道具だ。

 

連獅子や石橋も悪霊を取り払うべく、相当な動きで「毛振り」をする。この時。歌舞伎や能の舞台の客たちは大いに盛り上がる。髪の恐ろしさで悪いものを跳ね返す様子に興奮していると言っても良い。

 

髪は「呪いの鉄板アイテム」

悪霊払いにまで使われる「髪」「毛」だが、パワーがあるものだからこそ、敵からは守らねばならない。自分の敵に神の力が奪われてしまうと「呪い」に使われると信じられたのだ。

古代人は現在では考えられないほど、切った髪や爪が「呪い」に使われないよう注意を払った。

 

南チリでは、敵の髪の毛を木から落とすことで、相手を呪った。南太平洋のマルケサス島という場所の原住民は、敵の髪を編みこんで土に埋めて衰弱死させる呪をした。中央アフリカでは、自身が呪われないよう、一生涯、切った髪や爪を寝床の下に隠しておく風習があった。

 

髪は「呪いの鉄板アイテム」だったのだ。

 

 

気に入らない上司のお茶やコーヒーに、毛や爪を入れる女子社員は、似たことをしているのかもしれない。

 

唾は「呪を解く魔法のアイテム」

では髪を奪われて、呪われずにいる方法はあったのか。

それには「唾」が使われた。

 

古代ギリシアの数学者ピタゴラスは、切られた髪に3回唾を吐きつければ効力がなくなると教えた。

髪を解く櫛を捨てる時も、唾を3回吐き付けると良いとされた。

 

多くの神話や聖書の「マルコによる福音書」で、神やキリストが癒しとして唾を使っていることから、唾にお清めの力があると考えたのかもしれない。

 

ちなみに、スコットランドでは、咳こんだ病人の毛をパンに挟み、犬に食べさせた。それで犬が咳き込めば、病気が犬に移ったと考えたらしい。

犬からしたら迷惑すぎる話だ。

 

 

 

とにかく髪が好きな「髪フェチ」男性たち

神だと信じられたり、悪霊払いに使われたり、呪いに使われたりと、とにかく人間は髪を特別扱いしているが、本当に髪だけが好き…。つまり「髪フェチ」という人種もいる。

 

とある夫人が結婚した相手は、髪の毛の短い彼女を見て興味を持たなかったらしい。夫は3日目に大きな「カツラ」を買ってきて、それを被った所、彼が大喜びした。しかし、しばらくするとその「カツラ」に飽きて新しい「カツラ」を買ってくる。この繰り返しだ。

彼女は5年間で72もの「カツラ」をつけさせられたと言う。

 

 

イギリスのチャールズ2世は、心を通わせた女性のアンダーヘアだけで作った「カツラ」を着けていたと噂されている。ただ、17世紀〜19世紀のイギリスでは、このような「カツラ」が流行したとも言う。

 

とある男性は、ホテルに行ってメイドにお金を渡して、女性客が泊まった部屋の毛集めをしていたと言う。

 

医学者は男性の間には一定の割合でこのような「髪フェチ」がいると言う。

 

【ジェイコブの気づきと疑問】

■髪は役目がたくさんで大変!

「神が宿る」「悪霊払いに使える」「呪いの鉄板アイテム」「フェチ(?)アイテム」。人間が髪にこだわるからなのか、役割多すぎではないのか?パワーを持つ髪に何でもさせてしまう人間の「髪」信仰がすごい。

 

■歌舞伎の能に納得

異星人の私は、まだ歌舞伎と能を見たことがないが、テレビや雑誌で見る限り、みだれ髪を振り回している印象が強い。

その時に観客が盛り上がっている理由が少し分かった。

 

■髪フェチが出るほど、髪はすごい

人よりも髪を愛する(ように見える)人間がいる(?)とは!髪の魅力・魔力はすごい。

 

 

今回も面白かった、髪の文化。私には不思議だらけだが人間の髪の特別扱いはすごい。引き続き髪調べに時間を費やそう。

 

<今回の学習書>

「髪の文化史」荒俣宏(潮出版社)

Wikipedia

 

<過去の記事>

第1回:異星人ジェイコブの「なぜ人間は薄毛対策にこだわるのか」髪の毛の謎に迫る旅 その1 ~薄毛は男らしさ!?~

第2回:異星人ジェイコブの「なぜ人間は薄毛対策にこだわるのか」髪の毛の謎に迫る旅 その2 ~髪には神の力が宿る~

第3回:異星人ジェイコブの「なぜ人間は薄毛対策にこだわるのか」髪の毛の謎に迫る旅 その3 〜カツラは衛生的な証?〜

 

 

ジェイコブ 一郎

この記事を書いた人

ジェイコブ 一郎

頭髪が薄い生物が集まる“コブ星”の住人。 人間の「毛」へのこだわりが不思議なので、現在「毛」について研究中。

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