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価値観 2019.02.22

芸人は「売れ始める」と借金せざるを得なくなる!? 〜売れたい芸人が吹かす業界風(3)〜

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筆者は芸歴10年を超えており、年齢は35歳の“売れたい芸人”である。

まだ売れていない芸人が語るには複雑な感情もあるが、今回は「売れ始めた芸人」について皆に教えておこう。

脱・アルバイトを目指す芸人たち

 

多くの芸人はテレビに出て知名度が上げ、芸事だけで食べていける生活になることを目指している。それまではライブやオーディションの合間にアルバイトをして、生活費のほとんどをバイト代で稼いでいるという芸人がほとんどだ。

 

<アルバイトをしないで生活ができるレベルになること>が芸人にとっての一つのステータスであり、まず初めの目標であるのだ。

 

賞をとれば、世界が変わり始める

 

 

※写真はM-1グランプリ公式サイト(https://www.m-1gp.com/)からのスクリーンショット

 

どの売れている芸人に聞いても「売れ始めのきっかけ」というものがある。わかりやすいところで言うとM-1グランプリ(テレビ朝日系)やキングオブコント(TBS系)やR-1グランプリ(フジテレビ系)などの賞レースが挙げられる。

 

芸人にとってこの「売れ始めのきっかけ」があることがとても羨ましいことではあるのだが、この時期、実はとても辛い状況でもあるのだ。

 

きっかけができれば、テレビに出る機会が格段に増える。

テレビは芸人にとって一番の名刺代わりであり、芸人を使う側はテレビを見てその芸人がどんな芸人なのかということを知ることができる。

 

テレビに出て活躍し始めると雑誌の取材であったり、営業の仕事であったりと今までになかったテレビ以外の次の仕事が舞い込んでくる。

こうなると今まで生活費の大半を稼いできたアルバイトをする時間が無くなってしまうのだ。

売れ始めの芸人は借金をする!?

 

ここで問題が発生する。

テレビなどのギャラが事務所から振り込まれるまでは「約三ヶ月」かかるため、それまで無収入で乗り越えないといけない。

芸人にとって仕事が増えることは嬉しい悲鳴ではあるのだが、これが結構大きな問題でもあるのだ。それまでに貯金をしていればいいのだが、そんな芸人はほとんどいない、と言っていいだろう。

 

消費者金融から借金をしたり、事務所から借りたりする芸人もいる。それまでに借金があり、もうそれ以上借りられないという芸人は親や親戚から借りたりするケースもある。

 

世にも恐ろしい「お試し」期間

 

芸人の間には「1周する」という言葉がある。

売れ始めるとまずは“お試し”で各主要番組にゲストで1度ずつ呼ばれるということである。

 

この1周で結果を残さなければ次に呼ばれることはない。せっかく掴んだ1周目のチャンスをものに出来ずここで終わってしまう芸人もいる。

爪痕を残すことが仇となる者も……

 

制作サイドは他の番組で見た芸人を自分たちの番組にオファーすることがほとんどだ。見た番組と同じような立ち振る舞いができれば及第点を得られるのだが、芸人は結果を残そうと今までにやっていなかったようなことをしてしまう。

そうすると制作サイドが意図したものとは違うため、はねることなく「次も呼ぼう」ということにならないのである。

 

お金がない状態で不安な中、番組でどう振舞えばいいのか分からず、精神的に追い詰められてしまう。いち早く作り手の意図を汲み取り、客観的に自分を見られるようにならないといけないのだが、この環境は相当きつい。

 

売れ始めの辛い期間を乗り切ったら、今度は売れることを維持する辛い期間に突入する。売れている芸人からよく「売れる前の方が楽しかった」と聞くことがあり、ちょっとムカつくことも多いのだが、もしかしたら本当にそうなのかもしれない。

 

それでも! 私は! 売れたいのだ!!!

 

 

売れたい芸人

この記事を書いた人

売れたい芸人

わりと大手の某事務所所属の売れたい芸人。夢を追いながらバイトを鬼のようにかけもちする日々。

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