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2018.12.14

「ONE PIECE」の秘密〜サイファーポールと王下七武海は実在した!?

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ONE PIECEはそのまま読んでもおもしろいですが、作品の背景や引用元が分かるともっとおもしろくなる!

 

連載の第3回は、世界政府の諜報機関サイファーポールと王下七武海について取り上げてみます。

(※第1回の記事はこちら、第2回の記事はこちら

 

サイファーポールのモデルとなっているのは?

(※『ONE PIECE』34巻より)

 

世界政府の諜報機関で、サイファーポールNo.1からNo.8が8つの拠点で活動しており、ルフィたちが戦った「CP9」は一般市民には知られていない「存在しないはずの組織です。

 

CP9にはロブ・ルッチやスパンダム長官をはじめ、残忍な性格の持ち主が多いですが、それもそのはず、政府から非協力的な市民への「殺しの許可」が与えられているのです。

(※『ONE PIECE』36巻より)

 

この政府からの「殺しの許可」と言えば、スパイ小説好き、スパイ映画好きな人なら「007」シリーズを思い出す人も多いでしょう。

 

「007」シリーズは、イギリスの作家イアン・フレミングの原作小説をもとに、映画では『007 ドクター・ノオ』(1962年)を皮切りに『007 スペクター』(2015年)まで実に24もの作品が作られている大人気スパイ・アクションシリーズです。

 

 

主人公ジェームズ・ボンドは、「007」の諜報員コードネームを持っており、政府から「殺しのライセンス」を与えられている者として「007」の代名詞的なのです。

 

諜報員などというとフィクションの世界の話だと思われるかもしれませんが、この情報機関は実在しており、原作者のイアン・フレミングも第二次大戦中から特殊工作に携わっていました。

 

サイファー・ポールと同様に、この情報機関にも「MI0」から「MI6」まで番号が割り当てられて組織が分かれており、それぞれ暗号解読、防諜、担当エリアなどによって役割が分かれていると言われています。

 

また、前述のようにCP9は一般市民には知られていない存在になっていますが、MI6も1993年にメージャー英首相が認めるまで、公式には実在しないはずの組織とされていました。

 

何やら陰謀論めいた話のようにも聞こえますが、今では秘密でもなんでもなく、MI6の本部もロンドンの観光名所の一つになっています。

 

また、なんと公式HPも存在していて、そこでは堂々とスパイの人員募集もされているほど。

(公式サイト:https://www.sis.gov.uk/ より)

 

ロブ・ルッチのような政府のもとで暗躍する特殊工作員に憧れる人は、ぜひ応募してみては?

 

(※なお、ジョン・サワーズ前MI6長官は「私たちに殺しのライセンスはない」とインタビューで話しています。参考:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO11393980W7A100C1TZA000/)

 

王下七武海のモデルとなっているのは?

 

今回、もう一つ取り上げるのは「王下七武海」です。

 

海軍本部、四皇と並び称される「偉大なる航路(グランドライン)」三大勢力の一角で、鷹の目のミホーク、ボア・ハンコック、バーソロミュー・くまなどいずれも強力な戦力の持ち主ばかりです。

(※『ONE PIECE』54巻より)

 

王下七武海は、海賊でありながら世界政府によって海賊行為が特別に認められており、収穫の何割かを政府に納める見返りとして王下七武海に加盟している間は懸賞金が懸けられません。

 

このように、海賊でありながら政府に与する立場であるため「政府の狗(いぬ)」と揶揄されることもあります。

 

ONE PIECEに登場する人物の関係を大まかに分けると、自由な航海を求める海賊たちと、秩序を重んじてときに海軍の強力な軍事力をもって現体制を維持しようとする世界政府、という対立関係がありますが、このなかで王下七武海はどっちつかずの立場と言えるでしょう。

 

特にマリンフォード頂上戦争では、ルフィの味方をしながら海軍側として戦っているボア・ハンコックなど、海賊側なのか政府側なのか白黒つけがたい振る舞いに戸惑いを覚えた人もいるかもしれません。

(※『ONE PIECE』58巻より)

 

このように政府と取り引きしてお墨付きを得ながら海賊行為をした海賊は、歴史上にも実在しました。16〜18世紀に登場した「私掠船(しりゃくせん)」「私拿捕船(しだほせん)」などと呼ばれる海賊たちです。

 

王下七武海と同様に、海賊行為で得た利益の一部を国庫や出資者の貴族などに納める代わりに、私掠免許と呼ばれる免状を与えて海賊行為を容認しました。

(※私掠船「The Golden Hind」号のレプリカ)

 

国家としては、海域(シーレーン)を通る自国の通商船を守ったり、敵国の通商破壊を目的として、現代でいう傭兵に近い存在として私掠免許を与えましたが、統制がきかずに母国籍の船まで襲うならず者の海賊もいたようです。

 

歴史上、最も有名な私掠船海賊の一人として、イギリスのエリザベス1世に私掠船として認められたフランシス=ドレークが挙げられます。

 

1577年、300tのガレオン船ゴールデン・ハインド号を旗艦とする5隻の艦隊で出航し、私掠船として活動しながらマゼランに続く史上二番目の世界一周を達成しました。3年後、イングランドに帰国した際に国庫に海賊行為で得て国庫に納めた金銀財宝は、当時の国庫歳入よりも多かったと言われます。

 

この功績により、イギリス海軍の中将に任命されると同時に叙勲(サーの称号)を受けます。8年後、1588年のアルマダの海戦では、イギリス艦隊副司令官に任命され指揮をとり、スペインの無敵艦隊を壊滅させました。

 

『ONE PIECE』に登場するキャプテン・ドレーク

 

ONE PIECEでキャプテン・ドレークといえばこの人物ですね。

(※『ONE PIECE』51巻より)

 

懸賞金2億2200万ベリー、「最悪の世代」の一人で、動物系古代種の能力の持ち主で恐竜に変身できます。元海軍本部少将という設定は、実在したフランシス=ドレークを模したものかもしれません。

 

歴史上では、私掠船は1856b年のパリ宣言で禁止されることになりました。
ONE PIECE本編のほうでも王下七武海の廃止がささやかれていますが、これからの展開はいかに・・!?

 

 

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